「昔から文章が上手に書けなくて、書いているうちに何が何だかわからなくなってくるんです。」
というご相談を受けることがあります。そんな方に共通しているのが、
【段落構成】
を全く考えていない、ということです。
段落構成?そういえば、学校で聞いたことがあるような…
今回は段落構成を学び直して、わかりやすい文章や作文が書けるようにしていきましょう!
段落構成って?
そもそも「段落」とは何でしょうか?
段落とは、一つの文章の中にある、一つの話題のかたまりです。
例えば「ケーキを食べた」という体験の文章を書いたとします。
その時、
「お店でケーキを選んだ」
「どんなケーキにするか悩んだ」
「買ったケーキはとても美味しかった」
というように、3つの話題を順番に書いて、1つの文章とすることがあります。
その話題それぞれのことを「段落」と呼びます。
段落を何個作るかは、書いている文章の長さや内容によって自由に決めてOKです。
ここでは意見を書くタイプの文章や作文で使いやすい段落構成を紹介していきます。
三段落構成
小学校で「はじめ」「なか」「おわり」という呼び方で教えられることの多い段落構成です。小学生向けの段落構成ですが、400〜600時程度の文章を書くのであれば、この構成をマスターするだけで綺麗な文を書くことができます。
はじめ
文章の先頭に来る段落です。
「今から書く内容はこんなものですよ」と、軽く紹介するような内容にすることが多いです。
意見を書く文章の場合は、ここで自分の意見を短く書いてしまいましょう。
先に結論を書くことで、文章の道筋がはっきりして、読みやすい文章になります。
なか
自分の意見や考えについて、詳しく書く段落です。
どうしてその意見を持ったのか?(理由)をしっかり書きましょう。
その際、自分の体験を一緒に書くと説得力のある文章になります。
例えば「この包丁が使いやすいよ」という意見を文章にした時に、その理由として
「切りやすいから」
とだけ書くより、
「この前トマトを切るときに使ったら、崩れずに切ることができた。前の包丁だとトマトが崩れてしまって大変だったけど、この包丁なら大丈夫。」
と自分の体験を混ぜて書いた方が説得力が出ます。
自分の体験は積極的に書くようにしましょう。
おわり
まとめの段落です。
ここでは今まで書いてきたことをまとめて、もう一度書きます。
文章を読んでくれている人は、意外と途中に書いてあったことを忘れています。だから一番言いたいことは、最後にもう一度主張してあげることで思い出してもらいましょう。
その後で、将来や次回の話を少しだけすると、きれいにまとまります。
段落を増やしたい場合は?
基本的には「なか」の段落を増やすことで全体の段落を増やします。
自分の体験を数個書いてそれぞれで段落分けしたり、自分の体験の段落と意見の段落で分けてみたりしてみましょう。
内容にもよりますが、200〜300字で一つの段落とした方が読みやすくなります。
段落の内容を考えるメリット
文章を書こう!と思ったら、まず段落に何を書くか考えましょう。
「そのまま文章を書き始めればいいのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、段落を考えずに文章を書ける人は上級者です。
文章を書くのは苦手だな、と思っている人ほど段落を考えた方がいいのです。
では、段落を考えるようにするとどんなことができるようになるのでしょう。
何を書きたいのか、自分の中で話がまとまる
「書いているうちに何を書きたいのかが分からなくなってきた…」
なんてこと、ありませんか?これは自分の中で書きたい内容が定まっていないからです。その上で文法と誤字脱字を気にしながら文章を書いて、あれ?この漢字合ってる?文が長すぎるかな?接続詞は何にしよう…
なんて考えていると、書きたい内容なんて頭から飛んで行ってしまいます。
最初に段落構成を考えると話の中身を決めてから書き始められるので、話がまとまった文章を書くことができます。
話がそれない
学生の作文にありがちなのが、文の最初と最後で全く別の話になってしまっていることです。最初は学校が楽しいという話をしていたのに、最後には家族で遊びに行った話になっている、なんてことも。
文章の最初から最後まで話をそらさないためには、やはり段落の内容を事前に考えておく必要があります。何をどういう順で書くのかを決めておけば、絶対に最後まで話はそれません。
読んでいる人がわかりやすい文になる
話がまとまっていない文章を読んでも、読み手には何も伝わりません。最初と最後で話が変わっている作文も同じです。
「結局、この人は何を言いたいの?」
と思われてしまっては、頑張って文章を書いたかいがありません。
段落の内容が定まっていると、多少文法が間違っていたり誤字があったりしても伝わるものです。
伝わる文章を書くためには、段落の内容をしっかり決めることが重要です。
文章・作文を書くときは段落構成を考えよう
最初は段落構成を考えるなんて難しいと思われるかもしれません。
けれど事前に考えることで、書き手にも読み手にも優しい文章を書くことができます。
まずは基本の三段落構成を使って、文章を考えてみてくださいね。