【文字数が足りない…】文章が短くなってしまう人のための長文を書くコツ

学校で作文の課題が出たとき、文字数の制限がある場合があります。
夏休みの読書感想文の課題なんかは、シビアに文字制限がありますね。

  • 小学校低学年で800字
  • 小学校高学年で1200字
  • 中学生以上は2000字

と決まっていることが多いように思います。

そんな作文の課題に取り組む生徒さんから聞くお悩みの1つに

「文字数が全然足りない!」

というものがあります。
これは学生さんに限った話ではなく、大人の方からもよく相談を受けます。
大人の方だと、大学の社会人入試の小論文や転職試験の論文などで文字数制限に出会う場合が多いようです。

課題のお題に沿って文章を書き始めたものの、
書きたい内容を考えて、
思いついたものをつらつらと書いて…
あれ?
3行ぐらいで全部書けてしまった…。
これ以上書きたい話なんてないんですけど…。

なんて相談をよく受けるので、
今回は文章が短くなってしまう方へ、
どうやったら長い文章を書くことができるのかをご紹介しようと思います。

文章はなぜ短くなってしまうのか?

そもそも、書いた文章がなぜ短くなってしまうのかを考えたことはありますか?
文章が短くなってしまう原因として、

「書きたいことがない、話題が少ない」

と考えている方が多いようですが、これは間違い。
それどころか、1つの文章に入れる話題は1つのみ、というのが分かりやすい文章の鉄則です。
2つも3つも話題を入れると、薄い味のないスープのように味気ない文章になってしまうので注意が必要です。
では、文章はどうして短くなってしまうのでしょう?

原因はただ一つ。
内容が「抽象的」になっているからなのです。

抽象的とは?

抽象的とは、物事を「まとめて」表現している状態のことです。
例えば、
「果物」
という言葉は
「りんご」「バナナ」「みかん」
といったものをまとめて表現している言葉です。
「食べ物」
という言葉は、
「果物」「野菜」
をまとめて表現した言葉です。

このように、言葉をまとめるほど(図では上にいくほど)抽象的になります。
逆に、言葉を細かくするほど(図では下にいくほど)具体的になります。

抽象的な言葉は、書き手にとって便利な言葉がたくさんあります。
自分の気持ちや意見がまとまっていなくても、なんとなく、フワッと表現することができるので、
ついつい便利に使ってしまいがちです。
しかも、難しい言葉も多いので、字面だけ見るといかにも「書けた!」感じがしてしまいます。

けれど、抽象的な言葉というのがそもそも「まとめて表現した言葉」です。
使いやすい抽象的な言葉ばかりで書かれた文章は、
内容も当然、抽象的になってしまします。
自分が書きたい内容をまとめて書いてしまっているのですから、当然、文章は短くなってしまいます。

長い文章を書くには「具体的」を意識する

では、長い文章を書くにはどうすればいいのでしょうか。
抽象的の逆、具体的に文章を書くようにすればいいのです。

具体的というのは、先ほどの図で説明すると、
なるべく下に書いてある言葉を使って文章を書くということになります。

作文教室で「具体的に書く」ということを説明する際、

「あなたの作文を読んだ私が、そのまま作文を映画化できるぐらい細かく書いて!」

とお伝えすることが多いです。
具体的に書けば、どこで誰が何をして、どうなって、どう思ったのか、
そういった細かい内容まで表現できているはずなので、
作文を読んだだけで映像としてその内容を理解することができます。

しかし、抽象的に書かれた文章の場合、内容がまとまってしまっているので、
結局誰が何をしたのか、どうなったのか、どう思ったのかが文章から読み取れず、
作文を読んだだけでは細かい内容が分かりません。
映像として内容を理解することができなくなってしまいます。

体験作文の場合

例えば、遠足に行ったときの作文を例に考えてみましょう。

きのう、遠足に行きました。
みんなでタコ公園で遊びました。
先生も一緒に遊びました。
楽しかったです。

小学生で「長い作文が書けない」という子がよく書くタイプの作文です。
この作文、内容が抽象的になっているのが分かるでしょうか?
例えば

みんなでタコ公園で遊びました。

という一文を考えてみましょう。
この文章を映画化してください、と言われたとき、あなたはできそうですか?

これだけでは、
みんなというのが誰なのか?何人ぐらいなのか?
何をして遊んだのか?

そういったことが一切分からないので、映像として想像ができません。
これでは映画化しようとしたときに、どんな子をどのぐらい集めて、何をしてもらえばいいのかが分かりませんね。
これが、抽象的ということなのです。

きのう、遠足に行きました。
みんなでタコ公園で遊びました。
先生も一緒に遊びました。
楽しかったです。

そう考えると、この文章はとっても抽象的です。
最後の「楽しかったです」というのも抽象的で、何がどう楽しかったのか、読み手は想像することができません。
抽象的な文章は読み手にとって、読解が難しい文章でもあるのです。

では、この文章を具体的に書いてみましょう。
具体的にというのは、映画化できるぐらい細かく、ということです。
細かく書くと、こんな感じになるのではないでしょうか。

きのう、クラスのみんなで遠足に行きました。
タコ公園に着くと、先生が
「今からみんなでかくれんぼをしましょう」
と言いました。
最初は先生が鬼になりました。
10数えている間に隠れるところを探しました。
木のうらに隠れようとしたらタカシくんがいたので、
わたしはすべり台の下に隠れました。
すると、すぐに先生がやってきて見つかってしまいました。
いっしょに他の子を探そうと言われたので、
木の裏に走っていって、タカシくんを見つけました。
タカシくんが走って逃げながら
「タッチされてないからセーフ!」
と叫んだので、
「かくれんぼは見つかっただけでアウトだよ!」
と言いました。
タカシくんが頭を抱えたのが面白くて、たくさん笑いました。

こうやって書くと、映像として想像しやすくなったのではないでしょうか。
最初の文章では「遊んだ」と一言で済んでしまっている部分が、かなり長い文章になりました。
長くなったことで、
どんなことをして遊んだのか、
自分や周りの状況はどうだったのか、
そういう細かいところがクリアになり、読み手にとって分かりやすい文章にすることができました。

また、最初の文章では「楽しかった」となっている部分も、長い文章にすると何が楽しかったのかがよく分かるようになっています。
遊び自体が楽しかったというだけではなく、遊びの中でタカシくんとやりとりしたことが楽しかったのだ、ということのようですね。これは、最初の抽象的な文章では想像もできなかったものではないでしょうか。

このように、体験作文では細部を細かく描写し、読者に映像として理解してもらえる文章を書くことが「具体的に書く」ということになります。
では、中学生以上の方からよく質問を受ける「意見文」だと、具体的に書くとはどういったものになるのでしょうか。

意見文の場合

ここからは「小中学校は4月入学から9月入学へ変更するべきか?」という題で小論文を書いた場合について考えてみましょう。

私は小中学校は9月入学に変更するべきだと思う。
なぜなら、9月入学を標準としている国や地域が多くあるからだ。
日本も9月入学に変更すれば、留学のハードルが下がり、グローバルな人材育成が容易になるだろう。

小論文を書いていて、どうしても短くなってしまう方はこんな文章を書く傾向があります。
意見、理由が1・2行で終わってしまい、これ以上どうすればいいのか分からない、といったケースです。

この場合も対策方法は「具体的に書くこと」です。
では、どうすれば具体的に書くことができるのか?
一番簡単な方法は、自分や周りの人の体験談を挟むことです。

体験談を挟む

私は小中学校は9月入学に変更するべきだと思う。
なぜなら、9月入学を標準としている国や地域が多くあるからだ。
私の友人は中学校卒業後、アメリカの高校へ進学することになった。英語を使って生活し、日本とは違う学校生活を楽しみにしていた。しかし、アメリカの高校は9月にならないと入学できない。日本の中学校は3月で卒業となってしまうため、約半年の間、友人は学校に通わない期間ができてしまった。友人の両親は、半年間も学校に行かないで過ごすことを心配し、日本の高校に半年だけでも通ってはどうかと言ってくれたそうだ。しかし友人は、半年で辞めてしまう高校に入学するために入学金を払ったり、制服を買ったりするのはもったいないと考えた。そこで半年間はボランティアをしたり、英語塾に通ったりして学校に行かずに過ごすことにした。良い経験にはなったが、周りが学校で勉強しているのを見ると焦り、早くアメリカの高校へ通いたいと毎日のように思っていたそうだ。
しかし、日本も9月入学に変更すればこういう思いをする学生はいなくなる。学校へ通えない期間がなくなることで留学のハードルが下がり、グローバルな人材育成が容易になるだろう。

赤字で書いたところが具体的に記述した体験談です。
自分の意見の中に体験談を挟むことで、意見に説得力を持たせることができます。
「9月入学を標準としている国や地域がたくさんあるから日本も9月にした方がいい」
と書いているよりも、
「9月入学でこんな風に困っている人がいる。だから日本を9月入学にした方がいい」
と書いた方が、問題点が明らかになるので読者に意見が伝わりやすくなります。

体験談であれば自分や周りの人のエピソードを書くだけなので、思い出すことさえできれば長く書くことができます。
文章自体を書くことが苦手な方であれば、まずは体験談を挟む形で長い文章を書くようにしてください。
どこなら体験談を挟めるか?
どんな体験談を挟めば具体的にできるか?
そこを考えながら書くようにすると、具体的な文章が書けるようになってきます。

一般的な話を挟む

しかし、体験談を挟む形の文章というのは、年齢を重ねるごとに認められない場合が増えてきます。
「それはあなた1人だけに起こった出来事でしょう?たまたま起こっただけかもしれないことを理由に自分の意見を書かれても、説得力がないよ。」
と言われてしまうパターンですね。

こうならないためには、体験談ではなく、一般的な話を論理的につなげて書くようにすると良いです。
先ほどの体験談を一般的な話を論理的につなげた形に書き換えてみましょう。

私は小中学校は9月入学に変更するべきだと思う。
なぜなら、9月入学を標準としている国や地域が多くあるからだ。
例えば日本の中学校を卒業した後、アメリカの高校へ進学する場合を考えてみたい。日本の中学校は3月で卒業となるが、アメリカの高校は4月入学である。そのため、卒業から入学まで半年間のタイムラグが発生してしまう。中学校を卒業したばかりの15歳にとって、半年という期間は貴重で、とても長い。学校という場所があれば自動的に学習の機会が与えられ、友人もでき、生活が乱れることもない。しかし、学校へ通うことができなければ、学習の機会は自分で探さなければいけないし、新しい友人ができる機会もあまりない。朝に起きる必要もないから、生活も乱れがちになってしまう可能性もある。それを防ぐために半年間だけ日本で学校に通うことになれば、入学金や制服代、授業料が必要になる。日本がアメリカと同じ9月入学であれば不要だったはずの金銭的負担が発生するのは無駄である。学校へ通えない半年間をどう過ごすかは、個人の性格や金銭的余裕に大きく左右されてしまう。これを心配して、中学卒業後に留学することをためらう学生も多いのではないだろうか。
しかし、日本も9月入学になれば、学校へ通えない期間がなくなる。日本で中学を卒業した後すぐに進学できれば、留学のハードルが下がり、グローバルな人材育成が容易になるだろう。

赤字の部分が一般的な話を論理的につなげた形で書いた文章です。
内容は先ほどの体験談とほぼ同じなのですが、友人の話として書いたのではなく、中学卒業後にアメリカの高校へ進学しようとする全ての人に当てはまる話として書いています。
少し書き口を変えただけですが、この方が「誰にでも起こり得る話」に見えるので説得力は増します。

長い文章にチャレンジ!

ここまで、短い文章を長く書く方法をご紹介してきました。
短い文章を長くするには「具体的に書く」こと。
映像として理解できない部分があれば、具体的に書くチャンスです!
どの部分が具体的に書けるか?
体験談を入れることができるか?
どんな内容なら一般的な話を入れても大丈夫か?
考えながら書いていくようにすれば、長い文章でもサクサク書くことができるようになります。
ぜひチャレンジしてみてくださいね!

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