文章を書く時は、誰かに何かを伝えたい場合がほとんどだと思います。
日記であれば未来の自分に向けて書いていることもあるでしょうし、報告書であれば上司や取引先の人、学校の課題であれば先生に向けて書く必要があります。
しかし、「文章が苦手 !」と言われる人たちの中には、文章を書く時に読み手を誰にするか考えていない方が多くいます。

文章を書く時は、まず読み手を想定することがとても大切です。

なぜ文章を書く時に読み手を決めるのか?

文章を書く時に読み手を決めることは、そのまま分かりやすさに直結します。

例えば日記を書く時は、読み手は自分です。自分が読むのだから、名前や所属などの情報は書かなくて大丈夫ですよね。未来の自分が読み返して分かればいいのだから、今日の出来事やその時の気持ちだけ書いておけばいいのです。

しかし、それが手紙となるとどうでしょうか?
日記の時と同じ内容を書こうと思っても、書く内容は違ってくるはずです。
今日の出来事に出てきたAさんを手紙の読み手が知らなければ、自分が知っていてもAさんの説明をしなければなりません。
送る相手があまり親しくない人なら、自己紹介も入れなければなりません。

このように、誰が読むかによって文章の内容は変わってきてしまうのです。
読む相手が知っている情報なら簡潔に、知らない情報なら詳しく書く必要があります。それができれば、分かりやすい文章を書くことができます。

読み手ってどうやって決めるの?

手紙のように読み手がしっかり決まっていればいいのですが、いまいちはっきり分からないものもあります。
ここではそれぞれの文章の読み手を考えてみましょう。

課題の作文

課題は学校の先生や会社の上司から出される場合が多いと思います。
その場合は、「課題を出した人」に向けて文章を書くと良いでしょう。
しかし、大きなコンクールや社内での発表会に提出する場合は「自分のことを全く知らない少し年上の他人」を読み手として設定しましょう。
そうすれば、読み手は自分のことを全く知らないわけですから、自分の情報はちゃんと説明しなければならなくなります。少し年上の方に向けて書けば、言葉づかいも自然とていねいになるはずです。また、自分の学校や会社でだけ通じる話もなるべく控えよう、ということになります。

手紙・メール

基本的には送り先の人を想像して書きましょう。
メールなどで文章の送り先が複数人になっている場合は、その中でも一番目上の人を読み手として想定するのがいいと思います。
言葉づかいがていねいになって、マナーを守った文章を書くことができます。

ブログ

読み手が一番決めにくいのはブログかもしれません。
正直、誰を読み手と考えてもらっても構いません。自分で決めて書いていきましょう。しかし「私以外の日本語が読める人みんな」などという大きすぎる読み手を想定するのだけはやめましょう。

私もブログを書く時、誰に向かって書くか悩むことがあります。
このブログも「誰に向けて書くか」ということは色々と考えました。
結局今は「文章を書くことに苦手意識を持っている大人」に向けて書くことに決めています。
文章を書くことに苦手意識がある方なら、文章の基礎的な話が知りたいはずだから基本の話だけしよう。大人なら、漢字はある程度知っているはずだから文章に漢字を使っていこう。
といった具合で、このブログは執筆しています。

読み手に伝わる文章を書くには

読み手を決めることの大切さをお伝えしたところで、どうやったら読み手を意識した文章になるのかを考えていきましょう。

読み手はその話を知っているか?

文章を書く時、自分の知識だけをただ並べるだけでは伝わりやすい文章にはなりません。
読み手が何を知っていて何を知らないのか、しっかり把握しておく必要があります。
といっても、読み手の何もかもを知っている必要はありません。自分の想像の範囲で構わないので、何を知っていて何を知らないのかを考えてみましょう。
相手が知っていることはそんなに詳しく書く必要はありません。
けれど、相手が知らないだろうことは詳しく説明してあげてください。
そうすれば、相手にとって分かりやすい文章になります。

常体と敬体、どちらを使うか?

常体というのは「だ・である」という文末になっている文章のことを指します。
これを使うと力強い印象の文になるので、仕事上の書類や論文など、説得力のある文章を書きたい時によく使います。
文章を書いている人が知的でクールに見える文体なので、相手にそう印象付けたい場面では常体を使ってみましょう。

敬体というのは「です・ます」という文末になっている文章のことを指します。
これを使うと優しい印象の文になるので、相手とコンタクトを取るメールや手紙など、コミュニケーションを重視した文章を書きたい時によく使います。
文章を書いている人が優しくていねいに見える文体なので、そういう場面では敬体を使うようにしてみましょう。

相手に本当に伝えたいことは何か?

これは受験作文を指導する時によくお話することなのですが、書いている文章で本当に自分が伝えたいことは何かを考えることも大切です。

例えば受験で「火星に旅行する時に持っていくものと選んだ理由を書きなさい」という作文の試験が出たとします。
それを出題した先生は、本当に火星に旅行する時に何が必要かを知りたくてそんなお題を出したのでしょうか?違いますよね。
受験生が論理的に考えることができる子か、普段どんな考え方をする子なのか、そういったことが知りたくて出題しているはずです。
なので書き手も、その作文を通じて「私はこんな子です」「こんな考え方をする子です」といったことをアピールしていく必要があります。
それが上手く伝わる体験や意見を考えて作文に書くことができれば、ワンランク上の作文にすることができます。

これは他の文章でも同じです。
文章の内容以外に自分が伝えたいことは何か、一度考えてみてください。
かしこさ?やる気?親しみ?
それによって自ずと内容や書き方が違ってくるはずです。

読み手を想定して分かりやすい文章にしよう!

同じ内容でも、読み手を誰にするかによって書き方が大きく変わってきてしまいます。
文章を書こう!と思った時は、とりあえず読者を一人決めてみてください。
決めにくければ、実在の人物を一人思い浮かべて、その人に向かって書いてみてください。
そうするだけで分かりやすい文章になりますよ!